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趣味の空間

趣味の色々な雑学や記録

【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について②【考察】

前回から引き続き、繁殖シミュレーションを試していきたいと思います。

 

【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について①【考察】 - 趣味の空間

 

またまた繁殖条件を設定します。

  ・初期の放流稚魚を100匹としたが、最初の条件が厳しいので1000匹とする。

 本来は少数のうちは環境が緩いので死亡率は低いが、今は一定数値になってて初期程ツライ。

 

 

 ・初年度のみ稚魚を小さな小川(長さ数キロ程度)に放流する。

 ・環境は陸封されている。(河川外の流入・流出は無いものとする。)

 ・稚魚は2年かけて成熟し、孵化から3年目に繁殖可能とする。

 ・雌が個体平均300個の卵を産むとして雌雄は必ず半々とし、繁殖可能数に端数が生じた場合は切り捨てて繁殖可能な数(親)の平均で150個の卵を産む事とする。

 

1.産卵数に上限を設定する。

 

 ここからは大きく変える条件です。

 ・生存率の以下とする

  1年目:10%

  2年目:20%

  3年目以降:50%

 ・産卵数の上限を300万個とし、孵化率40%とする。

産卵床が限られていると思われるので上限を設けてみました。本来は母体数が増えるにつれて劣悪な環境での産卵が増えて孵化率も下がっていくのですが、今回は一定値とします。

 

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産卵上限を設定すると見事に収束しましたね。約26万匹が上限となっている。

舞台は小沢なのですが、上限26万匹を一つの小さな淵に20匹と過密している状況と考えるなら、10年目の1万匹は一つの淵に1匹程度、7年目の1500匹でポイント10か所の中で1匹いる状態。

どうやらこの7年目前後で発見となりそうですね。

そして安定までに20年近くかかるわけですね。

 

2.類似種との競争・侵入を設定する。

既存種をニジマスとして設定します。

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 計算方法はほぼ同じですが、違うのは1年目からほぼ上限の繁殖可能数を設定します。

なので産卵数は上限からスタートします。そして1年目でもその前年は上限の産卵数があるものとして計算します。

 

これを比較対象として、ここから最初の1.での表とこちらの表で産卵数を合わせて上限となる様にします。

産卵数は産卵可能な数を本種産卵可能数と他種産卵可能数として考えた場合の計算式を示します。

 本種産卵数=本種産卵可能数 /(本種産卵可能数 + 他種産卵可能数)× 産卵上限数

 

 

という事で設定してみました。

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ポイントを解説しますと、ブラントラウト側は3年目の最初の産卵では3千個産める個体数を保持していますが、ニジマスの産卵数に圧されて実際は5百個しか産めません。

少ない産卵数と繁殖母体が自然死していく事で、同等の生存率、繁殖率では数を増やす事が出来ず、極少ない個体数で安定する様です。

 

よくある(?)気まぐれな放流事業で、放流からの1、2年は少し釣れるけどもその後は全然見かけない。そんな状況に一致するのではないでしょうか。

また、優勢となり難い種類は継続的に大量に放流する事の重要性を示している様にも思えます。

 

 

では次からは侵入側に有利な条件を設定してみましょうか。

 

3.侵入側の3年以降の生存率を80%にする。

何らかの理由で親の生存率が圧倒的に高い場合ですね。

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表を見る限りでは存在を認知され始めるのが20年程かかり、放流から22年経って約0.5%程のシェアしかなく、釣り人の感覚では100匹に1匹程度しか存在せずレアな感じで喜ばれそうですが、30年目頃から少しずつですが目に見えて増加し始め放流から50年で個体数が逆転し、そこからは急激に既存勢力が衰退してゆきます。

そして、75年目頃から存在を認知されなくなり、96年で消失してしまいます。

 

ここで興味深い所は38年頃までは既存勢力に目立った影響が無い、個体数1割程度の減少と産卵数の減少しか見られないのに、その後の10年で個体数を半分に減らしてしまう事です。

 

4.侵入側の1年目の生存率を20%にする。

親の生存率は元に戻しまして、今度は侵入側の1年目の生存率を20%に上げてみます。

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最初に稚魚を放流する設定ですから初期の個体数やや大きくなるものの、認知され始めるのが14年目、25年目位から目に見えて増え始める。既存個体数は30年目頃までは目立って変化なしだが、その後は急速に個体数を減らして行く。

個体数の逆転は37年目。

既存個体が認知されなくなるのは54年目で、絶滅は93年目。

 よく見ると、子供の生存率を上げると全体の個体数が増えるのですね。親の生存率を上げたのも個体数が増えてしまってますな。

 生存率を上げるのでは個体数が増えてしまうから、下げてくのも必要なのか…。

  色々、めんどくさいんですね。

 

5.まとめ

 

 見やすくイベントを表にしてみますね。

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【12/2追記】

上で作った計算方式を元に更に色々な条件を変えて、それを個体数のシェア比で表にしてみました。

 

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↑表.経過年数と個体数におけるシェア比率の推移

 

まずは

 ・1年生存率20%(1年目の生存率が20%)

 ・3年以降生存率80%

 ・孵化率80%

この3つのグラフはシェアの拡大する速度に多少の差はありますが、グラフは同じ様に、シェアが5%程度を超えるとそれまでよりも急に増殖速度が上がってシェアを急激に伸ばしていきます。

そして一気に既存種のシェアが奪われる形となり、シェアが90%を越える位から変化は緩やかなって行きますが、やがて既存種(ニジマス)は消えてゆきます。

 

次に

 ・1年生存率20%+3年以降生存率80%

これは先の3つよりももっと生存率を上げた場合を示しています。

変化は急激ですがグラフは同じ様な形を辿ります。

 

次に

 ・1年生存率13%

これはもっと既存種との生存率の差が小さい場合を示しています。

変化は緩やかで100年の中で収束できませんでしたが、同じような形で収束します。

 

次に

 ・放流数5万+1年生存率13%

 さっきの1年目の生存率13%のものを放流数を1000匹だったのを50倍の5万匹にした場合です。

 そうすると経過年数を前倒しして始まるがその後はあまり変わらない経過を辿る様ですね。

 【12/2 追記】

 実際と比較すると人に釣られる事をほとんど考慮できていないので、収束するまでになかなか大きい個体数になっていますが、経過推移にはあまり影響しないものと考えています。

 それにしても人は1つの河川に年間何人位入って、魚はどれ位間引かれるのでしょうね。

 何千匹か、何万匹か、あるいはそれ以上か。

 一時的に減ったなぁって感じても2〜3年経つとまた増えてくるのを見ると、人の釣り圧と言うものは大きな影響を与えているものと考えられる。

 

 また、侵入不可地域などがあって絶滅がしなかったり経過推移を遅らせたりもするので全然違うケースってのもあり得るのですが、生物が侵入した場合って100年近くかかって何十年、何百年と途方もない時間をかけて安定するんですね。

 なので今は問題が見えていないからって未来も問題ないとは言い切れないと思うのですよ。

 

 ブラウントラウトの侵入問題として考えた場合、千歳川などの早期侵入の所では認知から30年以上経過して既存個体の不認知まで行っている場所があるのでしょうが、多くの場合はまだ認知されて十数年の所も多く、またまだ認知されていない箇所もきっと多くあるのでしょう。

 問題はこれから大きくなって行くのでしょうな。