【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について③【考察】
前回までは、生態が似ている為に既存種と競合して侵入種が既存種を駆逐するまでにどの様な経過を経ていくのかをシミュレーションしました。
これはアメマス(イワナ)とサクラマス(ヤマメ)等に見られる棲み分けがされない事を前提としたものであり、棲み分けが行われるのであれば、下流側ではサクラマス(ヤマメ)が優勢であっても、アメマス(イワナ)の様に上流ではサクラマス(ヤマメ)を圧倒するので、ある一定の所まで圧されつつも絶滅される様な事は起きないのは生態分布から想像できる。
~アメマスがサクラマスを上流で優勢となる理由~
①アメマスの細長く棒の様に丸い体型は細流となった河川の移動に強く、上流部で容易に起こる河川の氾濫、蛇行で流水が止まってしまった場合でも、そこから川の本流へ戻る力が強い。
対してサクラマスの幅広な体型では細流を移動する際に体が寝てしまい、上手く移動できず上流部では生存率が下がる。
②サクラマスはメスの多くが降海型であり、河川残存型の多くは雄である。河川残存型の雌雄比は定かではないが1:100等と言われてたりする。
それに対してアメマスの陸封型は半々とまでは言わないまでも1:10位の割合では確実に存在している。
そうした事から何らかの理由で遡上不可地域ができた場合にサクラマス(ヤマメ)は数年でほぼ姿を消すのに対して、アメマスは継続的に繁殖し続ける。
~サクラマスがアメマスを下流で優勢となる理由~
遊泳力の高さによる捕食能力と危機回避能力の高さがあります。
幅広の体系で釣れば解りますが、ヤマメの引きは同じ体長のイワナに比較して強い事が挙げられる。
これにより成長速度・生存率が共にサクラマスに分があると考えられます。
それでは、棲み分けがなされない競合する2種類が存在した場合、必ずどちらかが絶滅に追いやられてしまうのか?
そうとは言い切れない。
考えられるケースの一つとして、増える側を選択的に強く捕食する動物がいる場合、例えば、ニジマスは食べないがブラウントラウトを好んで食べる動物がいると仮定すると、ブラウントラウトがその地域で多数派になるとその捕食動物の食料事情が改善される事で増える様になるので一時的に増えたとしてもやがて減りだして元に戻る力が働く
二つ目のケースとしてはブラウントラウトのみにかかる伝染性の病気がある場合、生息密度が上がるとその病気が流行り、一定数が死亡する場合は一定以上増えられない事でニジマスを圧迫し難いと考えれる。
しかし、本当に遺伝的にも近い存在であり、生態が酷似している場合はその様なケースが偶発的に存在すると考えるのは楽観的過ぎると考える。
それに今まで居なかった侵入側のみを狙う捕食者は存在する事さえ難しい。*1
では他にその様な関係の競合するペアは既存種の中に存在するのか。
私が思うにオショロコマとエゾイワナの関係がそれである可能性が高いと思う。
オショロコマが生息する地域は3か所程、エゾイワナが生息する場所は20か所は釣り歩いた経験があるが、そこで両種が混在する様子は未だ見ていない。
生態は非常に酷似しているので片方が生息可能な環境では確実に両方が生息可能なはずなのにだ。
つまり遥か過去のある時点の何処かで必ず両種の混在はあったはずなのである。
今の生息地域的に見てエゾイワナがオショロコマを駆逐してしまうのだろう。
エゾイワナはその辺にあり触れていて、オショロコマは貴重な存在だが、どちらも釣りの対象魚としては切望する程に魅力的とは考えられていないだろうから、あえてこれらを何処かへ移殖しようとするのは少ないだろうが、現状で少ない側が劣勢である事から問題は起き難い。
だが敢えて移殖を試みたとしても、劣勢側のオショロコマを増やそうと企む者がいたとしても失敗するだろう。
逆にエゾイワナを増やそうとオショロコマの生息域へ放そうと意図する者はいないだろうが、偶然や意外な理由で放たれた場合は何十年、何百年経た後に地域のオショロコマが潰えそうだ。
また、サクラマス(ヤマメ)とニジマスの関係もその可能性がある。ニジマスは昭和40年代を中心に昭和初期より国家事業として大規模な放流を続け人造湖を中心に定着したものの、砂防ダム等が無く川の末端までヤマメ、サクラマスが遡上可能な川、あるいは砂防ダムの上流に魚がいない川ではニジマスは見かけない事が多い。*2
ニジマスの河川回帰率は100%ととは言えずシェアが増えるとその周辺河川への影響が心配されるが、それがまだまだその様な動きがない事からサクラマス(ヤマメ)に分がある様に思われる。
ただし、砂防ダム等で分断された地域にニジマスがいる場合、稚魚、成魚に関わらず継続的にその下流へニジマスが供給されるケースがある。これによりサクラマス(ヤマメ)の生息数が圧迫され得る懸念はある。
ここでブラウントラウトの放流に話を戻すが、放流は個人または小さな団体で行われたらしい。
その為に放流数は全体から見ると極少数とならざろう得なかっただろう事は容易に想像できる。
そして行為の意図は「大きな魚を釣りたい」であっただろうがその利益を当人が得る事は難しい。
何故ならようやく増えて来た段階では小型のものが多く、大型のものは割合的に少ない。大勢を占めて安定する様にならなければ大型のものは見えてこない。
放流が何時、どの程度の規模で行われたかは定かではないが、今現在一部地域ではその当事者らの理想に近い形となっているのかもしれないが、放流してからどれ程の時間が経過したのであろう、当事者はかなり高齢の域にあるのではなかろうか。
もしもまだ釣りを楽しめる年齢であるとしてもこの先どれ程楽しめると言うのだろうか。
【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について②【考察】
前回から引き続き、繁殖シミュレーションを試していきたいと思います。
【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について①【考察】 - 趣味の空間
またまた繁殖条件を設定します。
・初期の放流稚魚を100匹としたが、最初の条件が厳しいので1000匹とする。
本来は少数のうちは環境が緩いので死亡率は低いが、今は一定数値になってて初期程ツライ。
・初年度のみ稚魚を小さな小川(長さ数キロ程度)に放流する。
・環境は陸封されている。(河川外の流入・流出は無いものとする。)
・稚魚は2年かけて成熟し、孵化から3年目に繁殖可能とする。
・雌が個体平均300個の卵を産むとして雌雄は必ず半々とし、繁殖可能数に端数が生じた場合は切り捨てて繁殖可能な数(親)の平均で150個の卵を産む事とする。
1.産卵数に上限を設定する。
ここからは大きく変える条件です。
・生存率の以下とする
1年目:10%
2年目:20%
3年目以降:50%
・産卵数の上限を300万個とし、孵化率40%とする。
産卵床が限られていると思われるので上限を設けてみました。本来は母体数が増えるにつれて劣悪な環境での産卵が増えて孵化率も下がっていくのですが、今回は一定値とします。
産卵上限を設定すると見事に収束しましたね。約26万匹が上限となっている。
舞台は小沢なのですが、上限26万匹を一つの小さな淵に20匹と過密している状況と考えるなら、10年目の1万匹は一つの淵に1匹程度、7年目の1500匹でポイント10か所の中で1匹いる状態。
どうやらこの7年目前後で発見となりそうですね。
そして安定までに20年近くかかるわけですね。
2.類似種との競争・侵入を設定する。
既存種をニジマスとして設定します。
計算方法はほぼ同じですが、違うのは1年目からほぼ上限の繁殖可能数を設定します。
なので産卵数は上限からスタートします。そして1年目でもその前年は上限の産卵数があるものとして計算します。
これを比較対象として、ここから最初の1.での表とこちらの表で産卵数を合わせて上限となる様にします。
産卵数は産卵可能な数を本種産卵可能数と他種産卵可能数として考えた場合の計算式を示します。
本種産卵数=本種産卵可能数 /(本種産卵可能数 + 他種産卵可能数)× 産卵上限数
という事で設定してみました。
ポイントを解説しますと、ブラントラウト側は3年目の最初の産卵では3千個産める個体数を保持していますが、ニジマスの産卵数に圧されて実際は5百個しか産めません。
少ない産卵数と繁殖母体が自然死していく事で、同等の生存率、繁殖率では数を増やす事が出来ず、極少ない個体数で安定する様です。
よくある(?)気まぐれな放流事業で、放流からの1、2年は少し釣れるけどもその後は全然見かけない。そんな状況に一致するのではないでしょうか。
また、優勢となり難い種類は継続的に大量に放流する事の重要性を示している様にも思えます。
では次からは侵入側に有利な条件を設定してみましょうか。
3.侵入側の3年以降の生存率を80%にする。
何らかの理由で親の生存率が圧倒的に高い場合ですね。
表を見る限りでは存在を認知され始めるのが20年程かかり、放流から22年経って約0.5%程のシェアしかなく、釣り人の感覚では100匹に1匹程度しか存在せずレアな感じで喜ばれそうですが、30年目頃から少しずつですが目に見えて増加し始め放流から50年で個体数が逆転し、そこからは急激に既存勢力が衰退してゆきます。
そして、75年目頃から存在を認知されなくなり、96年で消失してしまいます。
ここで興味深い所は38年頃までは既存勢力に目立った影響が無い、個体数1割程度の減少と産卵数の減少しか見られないのに、その後の10年で個体数を半分に減らしてしまう事です。
4.侵入側の1年目の生存率を20%にする。
親の生存率は元に戻しまして、今度は侵入側の1年目の生存率を20%に上げてみます。
最初に稚魚を放流する設定ですから初期の個体数やや大きくなるものの、認知され始めるのが14年目、25年目位から目に見えて増え始める。既存個体数は30年目頃までは目立って変化なしだが、その後は急速に個体数を減らして行く。
個体数の逆転は37年目。
既存個体が認知されなくなるのは54年目で、絶滅は93年目。
よく見ると、子供の生存率を上げると全体の個体数が増えるのですね。親の生存率を上げたのも個体数が増えてしまってますな。
生存率を上げるのでは個体数が増えてしまうから、下げてくのも必要なのか…。
色々、めんどくさいんですね。
5.まとめ
見やすくイベントを表にしてみますね。
【12/2追記】
上で作った計算方式を元に更に色々な条件を変えて、それを個体数のシェア比で表にしてみました。
↑表.経過年数と個体数におけるシェア比率の推移
まずは
・1年生存率20%(1年目の生存率が20%)
・3年以降生存率80%
・孵化率80%
この3つのグラフはシェアの拡大する速度に多少の差はありますが、グラフは同じ様に、シェアが5%程度を超えるとそれまでよりも急に増殖速度が上がってシェアを急激に伸ばしていきます。
そして一気に既存種のシェアが奪われる形となり、シェアが90%を越える位から変化は緩やかなって行きますが、やがて既存種(ニジマス)は消えてゆきます。
次に
・1年生存率20%+3年以降生存率80%
これは先の3つよりももっと生存率を上げた場合を示しています。
変化は急激ですがグラフは同じ様な形を辿ります。
次に
・1年生存率13%
これはもっと既存種との生存率の差が小さい場合を示しています。
変化は緩やかで100年の中で収束できませんでしたが、同じような形で収束します。
次に
・放流数5万+1年生存率13%
さっきの1年目の生存率13%のものを放流数を1000匹だったのを50倍の5万匹にした場合です。
そうすると経過年数を前倒しして始まるがその後はあまり変わらない経過を辿る様ですね。
【12/2 追記】
実際と比較すると人に釣られる事をほとんど考慮できていないので、収束するまでになかなか大きい個体数になっていますが、経過推移にはあまり影響しないものと考えています。
それにしても人は1つの河川に年間何人位入って、魚はどれ位間引かれるのでしょうね。
何千匹か、何万匹か、あるいはそれ以上か。
一時的に減ったなぁって感じても2〜3年経つとまた増えてくるのを見ると、人の釣り圧と言うものは大きな影響を与えているものと考えられる。
また、侵入不可地域などがあって絶滅がしなかったり経過推移を遅らせたりもするので全然違うケースってのもあり得るのですが、生物が侵入した場合って100年近くかかって何十年、何百年と途方もない時間をかけて安定するんですね。
なので今は問題が見えていないからって未来も問題ないとは言い切れないと思うのですよ。
ブラウントラウトの侵入問題として考えた場合、千歳川などの早期侵入の所では認知から30年以上経過して既存個体の不認知まで行っている場所があるのでしょうが、多くの場合はまだ認知されて十数年の所も多く、またまだ認知されていない箇所もきっと多くあるのでしょう。
問題はこれから大きくなって行くのでしょうな。
【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について①【考察】
ここへ一昨年かな。釣りに行って来ました。
その際、事前調査は渓流釣り北海道120河川ガイド(2008年6月初版)で行い、イワナとブラウントラウトがいて上流へ向かう程にブラウントラウトの魚影が薄くなり、イワナが多くいると書かれていました。
釣行は2014年9月半ば、
入渓ポイントと釣果は以下の通りでした。
1.紋別4号橋〜7号橋:ブラウントラウト1匹
2.二又〜支線2号橋:ブラウントラウト2匹
3.支線3号〜支線4号までの中間ポイント:ブラントラウト数匹
その際はブラウントラウトの35㎝程度2匹と20㎝位までが数匹しか釣れず、ブラウントラウトが釣れているのにイワナが居て釣れないと言うのは性質的に考え難いので、少なくともその時、その場所にはイワナが殆ど居なかったと考えています。
それからはブラウントラウトによる既存生態への浸食を懸念しています。
ブログを漁ると最近でもイワナを釣ったと報告しているのもあるので絶滅しているわけではないのでしょうが、ガイドの方は実釣から出版までのタイムラグを考えると10年前後の期間があるのでしょうが、その10年位で生態系が変わってしまったのか。
もしかしたら、釣りの遡上時期からしばらく過ぎた時期である事や釣り人が多そうな場所で警戒心が比較的緩いイワナが先に釣られてしまったとかあるのかもしれませんが、ブラウントラウトの侵入の歴史とか生態系への浸食のシミュレーション等してみたいと思います。
侵入時期について
【参考】
ニジマスからブラウントラウトへの置き換わり現象|トピックス|水産総合研究センター「北海道区水産研究所」
1990年代では広範囲でニジマスが確認されたのに対し、2010年代では多くの場所でブラウントラウトのみが確認されました。
北海道のサケ・マス増殖河川におけるニジマスおよびブラウントラウト の生息状況
https://www.hro.or.jp/list/fisheries/marine/att/kenpou90kasen.pdf
近年,北海道の河川や湖沼では,外来サケ科魚類であるニジマス Oncorhynchus mykiss やブ ラウントラウト Salmo trutta の分布が拡大している.鷹見・青山(1999)は,1996年までにニ ジマスが道内72水系,ブラウントラウトが18水系でそれぞれ確認されたとし,これらの種の 生息する水系が遊漁の盛んになった1970年代以降に急速に増加したことを指摘している.
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日本には1892~3年に北米から卵が運び込まれたのが最初であるという (MacCrimmon et al. 1970) .
北海道では1980年に新冠人造湖において本種が初めて確認されたが,これは1978年に同湖と静内川に私的放流された種苗に由来する(米川 1981).
ニジマスは公的機関によって河川や人造湖に放流されてきた歴史的な経緯があるのに対して,ブラウントラウトについては公的な放流記録がなく,本種はもっぱら私的な放流によって道内に広まったと考えられている
支笏湖の生物とヒメマス
http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/lake/shikotsu/003_sikotu.pdf
支笏湖では 1988 年頃から密放流によると考えられるブラウントラウトが確認されるようになり 4)、他の生息魚類に影響を及ぼすようになってきた
つまりは侵入時期、方法ともに不明であり、一般人による放流であるだろう事が記載されている。
そして最初の発見は1980年代頃であり、そこから約30年程かけて既存の生態系を浸食して優勢種となったと考えられる。
外来生物の侵入と繁殖経過を考察する
先ずは繁殖条件を仮定しよう。
・最初に稚魚100匹を小さな小川(長さ数キロ程度)に放流すると仮定する。
・環境は陸封されている。(河川外の流入・流出は無いものとする。)
・稚魚は2年かけて成熟し、孵化から3年目に繁殖可能とする。
・雌が個体平均300個の卵を産むとして雌雄は半々と考え、繁殖可能数に端数が生じた場合は切り捨てて繁殖可能な数(親)の平均で150個の卵を産む事とする。
・だいたい個体数5万を超えた所で発見され、30万を越えた所でその河川に飽和(生態系へ安定定着)したと仮定する。
※数が少ないうちは条件のいい場所にいる事で安全に豊富な餌を取れ、警戒し易い場所にいる。その為、人に釣られる可能性は極めて少ない。また一定個体数が釣れないと多くの人に認知されず情報として一般化されないと考えてこの条件としました。
1.繁殖率100%(死なない場合)の場合
死なないというのは有り得ないのですが、もともと計算がめんどくさいので、
まずは純粋な繁殖力と言うか、めんどくさい条件を無くして表の見方と計算方法を説明します。
1年目
稚魚が放流されるので発生稚魚数が100、全個体数も100。
2年目
稚魚はまだ産卵しないので発生稚魚数がなし、全個体数は前年の発生稚魚数の100。
3年目
1年目の稚魚が親になるので、発生稚魚数が繁殖可能数に加算されて100。
繁殖可能数が100あるのでこの年から稚魚が発生します。
発生稚魚数が繁殖可能数(100)×平均産卵数(150)=15,000
全個体数は繁殖可能数(100)+発生稚魚数(15,000)=15,100
4年目
繁殖可能数は前年の100と2年前(2年目)の稚魚数(0)を足して100
発生稚魚数は繁殖可能数(100)×平均産卵数(150)=15,000
全個体数は繁殖可能数(100)+前年と今年の発生稚魚数(15,000+15,000)=30,100
5年目以降は4年目と同じ計算方式です。
だいたい5年目位に発見される様になり、7年で安定します。
つまり全く死なないという不可能条件下でさえ、一般に知られるまでに5年もかかるという事です。私としては意外と長いと思いましたが、読者の皆さんはどうでしょうかね?
2.未成熟個体が1年目と2年目に各年80%死ぬの場合
【追加条件】生存競争における圧迫や捕食者によって食べられたり病気によって成熟するまでに96%死にます(1-(1-0.8)×(1-0.8)=0.96)
生物は基本的に生涯繁殖数の中から2匹しか繁殖できません。でないとその生物は増え続けてしまいます。
繁殖数に対してちょっと(?)多いですが、競争相手を浸食していく前提と考えて、魚類の生態から見てざっくりと設定してみました。
1年目
放流した稚魚が80%が死んで20%生き残るので、全個体数は20.
2年目
全個体数は1年目の発生稚魚数(100)×生存率(0.2)×生存率(0.2)=4
3年目
繁殖可能数は1年目の発生稚魚数(100)×2年の生存率(0.04)=4
発生稚魚数は繁殖可能数(4)×平均産卵数(150)=600
全個体数は繁殖可能数(4)+前年の発生稚魚数(0)×2年の生存率(0.04)+今年の発生稚魚数(600)×生存率(0.2)=124
4年目以降は3年目とほぼ同じなので略。
この場合は発見が9年目、安定するまで定着11年。たった数キロの小さな小川で安定するのに11年もかかります。
3.更に親も毎年30%死にますの場合
【追加条件】親も大型の捕食者に食べられたり、病気や寿命で毎年30%死んで70%が生き残ります。
親はサイズが大きくなったので捕食者が絶対的に少ないので70%の生存率として設定しました。(甘いかな?)
1つ前の計算と違うのは、繁殖可能数の計算です。
3年目 繁殖可能数は2年前の発生稚魚数(100) × 2年の生存率(0.04) = 4なので変わりません。
4年目 繁殖可能数は前年の繁殖可能数(4) × 親の生存率(0.7)+2年前の発生稚魚数(0) × 2年の生存率(0.04) =2
※3でなく2になったのは端数切り捨ての為です。
この場合は発見が9年目、安定定着11年目。あれ?数値はやや違うものの年数で数えると2番目のとあまり変わりませんね。
親の生存率が高すぎるのかもと思って70%から50%、30%で計算してみました。(表は省略)
50% 発見が9年目、安定定着12年目
30% 発見が10年目、安定定着13年目(繁殖可能数を端数切捨てにしたら絶滅するので四捨五入にした)
どうやら子供の生存率の影響が大きく影響する様です。
4.稚魚(1、2年目)の生存率を毎年10%にするの場合
親の生存率は70%としたままで、稚魚の生存率を毎年10%にしてみる事にします。
成熟するまでの生存率が1%という事になります。
(繁殖可能数を端数切捨てにしたら絶滅するので四捨五入にした)
発見が20年目、安定定着24年目。
稚魚の生存率が下がると発見までの年数が急に伸びましたね。
これで何が言いたいかと言うと、極少数の生物が多数へ拡大していくには10年とか長いと20年以上の歳月が必要と言う事なんですよ。
それと二世が親になるまでが一番危うい。そこまで繋がればその後は条件が変わらない限り絶滅しないという事が確認できました。
しかし発見から安定定着とした年数までが3〜4年程度とあまりに近いのはなんなんでしょうな。
1.繁殖可能数が全て産卵する事に起因する?
2.発見ポイントと飽和ポイントの数が近過ぎる?
3.その他の要因?
4.問題ない?
うーん...。
産卵数についてはやってみて気付きました。実際は産卵場所は限られていて熾烈な奪い合いを行いながら産卵している為、全体の産卵数は個体数に関わらずある一定から伸びないからその辺の設定も必要って事です。
それと聡明な方は気付いておられると思いますが、競争相手を上手く設定できていないのですな。なかなか難しい。
そして他にもまだ重要な条件設定ができていない可能性もあります。ご了承下さい。
この辺で一区切りとしましょうか。
【その他参考】
【釣り】ブラウントラウトの侵入と生物の繁殖力について②【考察】 - 趣味の空間
【渓流釣り】未踏の流れに思いを馳せる【オコタンペ】
オコタンペへ通じる78号線は、もともとは美笛から恵庭岳の北側の453号線へ通じる札幌方面と支笏湖西南方面間のショートカットルートとして存在していたそうなのですが、現在、一昨年の秋の水害から全面通行止めとなったきり未だに開通されていません。
一昨年の秋以前は美笛―オコタンペ間は不通となっていて、オコタンペまでのルートとなっていました。
私がその存在を知り、ここへ行ったのはこの1シーズン限りなのですが、このルートは切り立った渓谷に這う様な不安定な道路と言う印象があって、ここへは2、3度行きましたが恐らくは落石対策なのでしょうが常に工事していました。
この時点でオコタンペには民家は無く、キャンプ場跡が存在するのみであり、現在では多額の費用をかけて復旧させる経済的な意義がない為に今後も復旧の見込みは無いと思います。
もうここへ足を踏み入れられない事が1人の釣り人として残念です。
【オコタンペ湖】
先ず、オコタンペ湖は北東の一角へ降りられますが、ここ以外に湖へ通じる道路がありません。
よくフローターで釣りをしている人が居ましたが、ニジマス、イワナが釣れるらしい。
またこの湖へ注ぐ川で大きなものはない。
産卵の為に成魚が唯一入れそうなのは西岸の中央に注ぐ1本のみ。ここへ入れる道路は無く林道も無いと思われる。
この沢の魚の密度はどれ程のものだろうか。
フローター(ゴムボート)でこの湖を横断していけないだろうかと計画したりもしましたが実現には至らず。
【オコタンペ川】
そしてオコタンペ湖―支笏湖を結ぶオコタンペ川(と呼んで良いのかね?)については河口付近と河口から2㎞位の2か所のみでした。
途中の入渓は渓谷が深過ぎてまず不可能。
支流が2本ありますが、この沢に沿って降りられる可能性を考えるも、それを試している人は居ないのか熊笹が鬱蒼と両脇を占めており、また途中に落差工が有り、距離と高低差を見るにどこに突然の滝が存在しているかも分からない。
特別な装備を持たない私にはちょっと不安が多過ぎて断念した経験があります。
そんな所なので川上流の半分は全く未踏の地と言ってもよく、河口付近で釣るも結構いい釣果があった事から、途中に魚留があればその付近に大量に魚がいるだろう事は容易に想像できました。
それに魚留が途中にあったとしても、オコタンペ湖にはイワナ、ニジマスが居て、上流から下ってくる事から魚が途切れる事がない。
その中の何処かに大物が居たとしてもおかしくはない。むしろ何処かには確実にいるだろう。
【オコタンペより西の小沢】
またオコタンペより1km程西に小沢が1本あってそちらもあまり人が寄り付かない事が予想されて一度は行ってみたかった。
行ける機会は何度もあったのだが、他を優先して一度も行かなかった事が悔やまれる。
【渓流釣り】行ってきました【小樽川】
余市川支流小樽川 【10月2日釣行】
ダムが2か所もあって、雨後の増水時はもちろん、一度雨が降った後はしばらく安定して水量が多くて入るのが躊躇われるこの川。
この日は数日晴れが続いていて入るのはこの日しか無いかもって思い切って入りました。
広めの川はあまり入る事がないので、色々勇気が要りますな。
一昨年の秋に一度入っただけでその時偶然、大きな魚影を確認できた所です。
前日に大物釣ったやり方を試してみたくてここに来ました。
やり方言うてもいつもはサシ(大)で釣ってるのをブドウ虫にして、
重りを調整してる程度なんですけどね。
そのポイントに着くまでの道中に適当にポイントに入れてイワナ1。
ポイントに着いてから何回か粘って投げてみました。
ウグイ2匹釣れた後に、大きな当たり!!!!
岸辺の倒木の陰に入り込まれて、外そうと糸のテンション張ったまま近付いたら外す時に力強く引っ張られて竿が折れました。
これで逃げられたかと一度は落胆するも、穂先が流れているのが見えて、それを拾い上げて引き寄せて、やっとの思いで釣り上げました。
微妙に昨日のやり方上手くできてない気がしたけど…結果的に釣れたのでおk。
雰囲気いつものやり方で釣れたかもとかそんな事をちょっと思ってしまった。
42㎝。40越えが二日続けて釣れるとかもう何かに憑かれてるのかと不安になりますな。
落合ダム
ここに緑地公園っぽい所があるので近場に行くとよく立ち寄ります。
ここで釣ってる人がいました。カヌーやらバタ足のゴムボートで入ってる人も居て。
珍しく3-4組も居ました。いつも誰も居ないんだけどな春も秋も。
そろそろ湖で釣る季節になってきたんですね。
帰る前にもう1か所寄り道してみました。1時間半程で餌なくなったのでニジマス20㎝~25㎝位のが7-8匹。
なかなかいい感じですな。ここはまた今度来てみようかなって思ったので場所秘密。
大きいのいるのかな。ほんと小さい流れでないと確認なかなかできないからね。
最近水中の様子を見る手段が欲しいなと常々思います。
【渓流釣り】行ってきました【場所未記載】
【10月1日釣行】
【↑帰り際に上流部で撮った風景。下流部はもう少し水量あるよ。】
私にとって色々な釣り方や魚の習性について学ぶ場所。
小さい流れながら、大きく広がった淵や、深い淵、形状が様々で、
いつも居るけど釣れない淵や、姿は見えないしいつも釣れないけどたぶんいるってポイントが幾つもあって、毎回ここで試行錯誤してるのが楽しい。
ここはそこそこ魚影が濃くて川が小さいので、ちょっと上手い人が数人入っただけで激減してしまうそんな小川です。
年に4-5回は訪れてアレコレ試してやってます。
それで、毎度の駐車スペースに車止めて沢に入ったら・・・
【全体写真】
【一部拡大写真】
熊の糞。(で合ってるよね?)
1個1個がだいたい握り拳程の大きさです。
なんか良く解らんけどやたら臭って思って周り見たらそんなだった。
黒くて石ころサイズだったからか意外と解らんものなんだね。
あった所って民家ある所から歩いて4-5分の距離なんだけど?
この辺は毎回の様に熊の痕跡が見つかる上に、近い。
クマ怖い。クマこわい。熊コワイ。ちょーコワイ。
毎度思うんだが、よく新聞沙汰にならないヨネーー
それは他の人達が新聞沙汰になっていないからきっとダイジョブ?
熊がこれだけ近くで活動してて問題起きてないっていうのは熊の方が人陰を避けているってとある本で読んだ事あるけど、まさにそんな感じなんだろうね。
鈴付けるのもそういう理由だしね。
奥へ進んでいく。
ホイ(まぁまぁな大きさ)
ホイ(ちょっと小さめ?)
ホァァァア!?(でかっ)
ここで私が認識している限りでここの一番大きいの釣れちゃいました。しっかりオスの顔してるね。
もう1か所に同じ位の大きさのいるけど、釣ったのがデカイ。きっと。たぶん。おそらく。
俺が決めた。今決めた。
44㎝!!! 40㎝越え釣ったの初ですよ。初。
目盛りはちょっと波打ってる為にそれより大きく見えますけどね。
正確に測るって何だろう (;= =) トオイメ
これ2年程前に初めて見つけてから、ずっとどうやったら釣れるのかって何度も試行錯誤してやっと釣れたんですよ。
いつもの魚入れに入れてみると、こんな感じ。
この後興奮冷めやらぬまま移動し始めたら、スズメバチに刺される。
はぁぁ!?マジ初体験引き捲りだな、オイ!!!
急に接近して50㎝位の距離で一周したかと思ったら躊躇なく腕に留まろうとするとか初体験。
それを留まりそうな直前にその腕で払ったら作業服の上から刺されたわ。
マジでトラウマなりそう。
回避する選択肢ないやんけ。
てか異様にでかかったんだけど!?これ気のせい?アドレナリンのせいで大きく見えた?
帰り道に見つけたキイロスズメバチが異様に小さく見えました。
帰って今調べてたんだけど、これ女王バチでも刺すのですな。
サイズ的には女王バチって感じだったんだけど、
そいえば攻撃フェロモンかけられてなかった気がするから女王バチで合ってるのかね…。
取りあえず、傷口から毒を吸出せばいい?
チューチュー吸って、なんか苦い。毒の味
一旦戻って携帯で応急処置とかネット検索してみたが、
口で吸うのは良くないらしい。口からも毒が体内に入るって。
てかそもそも刺されてやばいのはアレルギー反応だって話だから
1回目は大丈夫なのか・・・?1回目大丈夫ともなんとも書いてないんだけど!?
なんかビリビリ傷むんだけど、針で刺されるってレベルじゃないね、むしろ電気でも流されてるみたい。しかし、放置してる分にはちょっとって分けじゃないけど耐え難いって程でもないわって程度。
そりゃ抑えたりしたらとんでもなく痛いけどさ。
これでも、半日~1日程度で痛みがなくなる書いてんよ?まじかよ。
ちょっと遅めの朝飯喰って、1時間以上経って悪化してないから、大丈夫そうって判断。
家に帰って来た時点でもう既に痛みなくなってるわ。(38時間軽か)
また山に戻ってさっきの大物釣った所にまた竿を入れる。
31㎝…一回り小さく見えてた2番目の大きさのがコレなんかな?
なんかオスっぽいし、もうちょい大きいメスがいそうだなー。
もう1か所の毎回釣れないポイントも同じやり方で入れてみたけど、小さいの喰いついただけで、大きいのには無視された(´・ω・`)
これ大小合せて見えるだけで20匹以上が1か所のポイントに固まってるとか、
やっぱりここで他の人あんまり釣れてないのかね。
今回の目的地、2㎞程沢の奥行った所の今回釣るまでの過去最高サイズだったヤツを釣りに行く。
去年は37㎝だったのが1年でどれ程成長するのか楽しみだなーって思いつつ。
今年も測りたかったが、逃げられたよ。残念。
ニジマスの寿命についてぐぐって見ると3-4年とも5-6年とかそれ以上とか書かれてるけど、
個人的に10年以上生きてそうな気がするんだよなー。
この川、かなり下から魚留の砂防ダムあってニジマス居るところは完全陸封されてますが、ここで釣ってる感じ、毎度釣ったり泳いでたりってのを見てますが、成長遅いよ。
チョコチョコ釣られて大きいのが居なくなってますけど、釣られるポイントは一番大きいのがどんどん変わるけど、なかなか難しいポイントが幾つもあって、そこに居るのは
毎回同じのがいる。たまに居なくなったりするけど、釣られたり、環境が悪化しない限り同じ様な場所に何年もいる模様。
1年目:5-10㎝、2年目+5㎝、3年目+5㎝ とかそんなもんです。
それで考えるある程度成熟すると成長速度が遅くなる事を考えると 尺になるのに5年かそれ以上かかってる計算になって40㎝越えとか何年かかれば届くのかってね。
2年前の当時、35㎝位は何度も釣ってたからそれでずば抜けて大きいって事を見ると
少なくとも40㎝近くはあったと思うんですな。
そうなると10年レベルになってしまう。
それが特別寿命が長かったってよりも運よく釣られずに生き残ってたって考えると、
寿命は標準的なものと考えた方が良さそうだ。
【渓流釣り】行ってきました【美笛川】
支笏湖に注ぐ一番大きな美笛川、一昨年来た時は35㎝のブラウントラウト釣ってホクホクだった思い出の地。
今回も楽しみにしていました。
できれば、遡上時期に合わせて来たかった所ですけどね。仕方ないね。
まずは地図で見える赤い線でなぞってる所が今回の釣りのポイント。
先ずは下の方の支流へ。
一昨年から2回位洪水クラスの増水あったんだっけ?
もうなんか渓相全く変わってしまったね。
ブラウン2匹とヤマメ5-6匹 2時間位釣ったのかな。
絶対デカイの居るだろコレってポイントが2か所程あって、
慎重にキャストしたけど、失敗しましたーーー。
今回沢に対して竿長すぎ、取り回しキッツイ。ムリゲ。全然釣れない。
意外とブラウンは支流の小さなポイントでも大きいの居るからポイントにしっかり投げたかったね。うん。
てか、長竿で入るならもう一本西側の隣の沢に入ってればよかった。
そっちは険しい感じなかったと記憶してるし...。
写真は撮り忘れました。ハイ。
で、その次に本流に入ろうとしたらなんかの工事やってたから、
次に大きい支流に入った。川幅広い所は基本苦手なんだがたまには経験してみないとね。
それにしても、とんでもなく開けてるのね。
背中が太陽で焼けて暑いよ?日陰が欲しいよ。
で、誰か先に入ってるっぽいなーとか
足跡なんかあるなーとか思いつつ、足袋(タビ)みたいなので歩いてるんだな。
最初なんの足跡?コレってしばらく考えてたよ。
で、 延々歩きましたよ。
追い掛けなんだったら警戒心強まるから釣果悪くなるし…。
(言い訳)
魚いねぇぇぇぇ。↑やっと釣れたブラウン1匹。
1回引っ掛けたら、しばらく食べないから仕方ないとか思いつつも…。
やっぱ開けてる所は厳しいわ。
小さいヤマメは凄いいるんだけどね。
大きい川は居ないのか、居て喰わないのか全く分からないわ。
やっぱり開けてる所はルアーかフライでやるに限るのかね…。
ブラウントラウトは塩焼きにして美味しく頂きました。
外来種駆除にご協力を!!!
個人的にブラウントラウトだけは100%駆除対象デス。
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